藤来畳店 畳製作過程の紹介 店主藤来氏は手縫いの技術を受け継ぎ今も継続している数少ない職人の一人
鎌倉の老舗畳屋、藤来畳店


神奈川県畳工業共同組合優良加盟店
藤来畳店
247-0066
神奈川県鎌倉市山崎1114
藤来畳店連絡先


伝統を受け継ぐ藤来畳店店主の畳製作

日本の伝統畳製作伝統文化を残すには

廃れつつある日本古来の畳製作伝統文化を残していくには


  畳といってもピンからキリまでありますが、普通はそれら全部を一くくりにして畳と言ってしまうので、当然ながら多くの人は畳についてあまり詳しくないのは普通なので、畳はどれもそんなに大きく変わらないんじゃないの?と誤解されてしまっても仕方ないのが現状です。

こうなれば当然安いほうが良い、という方に流されがちですし、現状はそうなりつつあります。もちろん頻繁に住人が入れ替わるようなアパートで人が替わる度に高級材料の畳表や縁等で仕上げる意味は無いでしょうし、逆に神社仏閣、お茶室等高品質なものが求められる場所に品質が劣る安畳はふさわしいとは言えないでしょう。

でも、畳という建材自体やその生産過程、製作過程を知らないがゆえに、求められがちなのは品質よりも値段という流れで、それは必然的に日本人の暮らしとも密接に関係していると言えますが、現在新築住宅における畳の部屋数の絶対数が減少傾向にあり、又既存の畳部屋を有する建築物も減少しています。

つまり市場が縮小してきているのですが、その流れで買い手市場になり価格競争が起きるのは自然の事で、そのような中で仕事の単価は低いが比較的仕事量が多いと言えるアパート等の畳交換等の仕事をメインにしていると、安売り競争に好むとも好まざるとも巻き込まれていくのです。

又機械化の発展で簡単に畳製作ができるようになり長年手縫いをしてきた職人にとっては大いに助かりましたが、一方で手縫いを知らない比較的新しい世代の人達は当然ながら機械なしでは仕事が出来ず、又手縫いは大変難しい上にきつく時間が掛かるのでやれない、やりたくないというのが普通で、伝統的な手縫いの畳を見たことさえ無い従業員もいるでしょう。

そして価格競争も激しい中どうやって儲けるかだけを考えれば、必然的に材料の質を落とす、手を抜いていくという事になり最低品質の材料にホッチキスだけで止めるという畳まで出て来るわけです(実際ひどい品質の畳表等はありますが普通の職人は使いません)、でもこれは経済的要因など時代の流れであり、品質よりも値段という消費者の要望でもあるので非難できない部分もあります。

そんな状態が長く続いたため伝統的な畳文化はかなり以前から廃れ昔ながらの技を受け継ぐ職人はもう殆ど絶滅危惧種と言えるほど激減しています、なぜなら手間隙かけて作られるがゆえに品質の高い高価な畳の需要が圧倒的に少なくなり、そうなるとそういった材料を生産する生産者は減り、当然ながらそういった伝統技術を持つ職人の仕事を生かす場所が無いので廃業、もしくは不本意ながらも安い畳でも作り続ける、結果として伝統は廃れ消滅する運命という事になるのです。

現在かつては何処の町にもあった畳屋さんという商売は個人商店としては食べていくのも厳しいものになりつつあり結果その家業を継ぐ人も多くない為、残るのは機械化し利潤の追求に特化した大規模に県をまたがる様な広範囲な地域をターゲットに商売する様な所と、細々とでもやっていける店、又は極々一部の恵まれた環境にある腕のある職人という事になっていくかもしれません、つまり腕があっても場合によっては廃業せざるを得ないとう厳しい現状です。

しかし、畳製作の実態、畳が出来るまでの生産工程などを知ると、一部のチラシに出ているような安い値段で普通の畳の仕事が出来るわけが無いという事が理解できます、つまり格安な値段で広告を出している業者の多くは利幅が無いのでその値段ではまずしない、安いと思って頼んだけれど多くは色々な理由をつけて高価な値段のもの(実際品質が良いかは別)への交換要求、話が違ってもとぼけて逃げてしまうという感じです。

こうなるともう騙しているといわざるを得ませんし又安くやれたとしても相当質の劣る畳になってしまうという事です、地域に根ざしているがゆえに地元の畳屋さんは逃げられませんし、信頼を大切にする店としてはまず出来ないやり方です、でも一般の消費者から見ると「畳屋さん」という事で良い所やそうでない所も同一レベルで見られてしまう事になり、まじめに仕事をする畳屋さんからすると実に迷惑な事なのです。

どんな商売でも同じだと思いますが、家業を継続し家族が普通に食べていけるように正当な仕事の対価を頂くという事は、家業を守ると共にそういった人々が属す社会を円滑に運営していく上では欠かせません、それが地域全体の暮らしを守るという事だと思います。価格破壊をうたう業者の中にはその裏でひどい労働環境があったり、詐欺的な仕事をしている場合もあるのでとても健全とは言えません。

つまり、最終消費者であるお客さんご自身が畳が出来るまでを十分理解して頂けると一体何が正当なのかが解ってきますし、結果優良な生産者、腕のある職人さんへの仕事が増えるかもしれないと期待しているのです。


藤来畳店: 藁床、高級備後表を使用した畳製作過程


全国にある様々な畳店、畳業者はそれぞれ独自の考え、経営規模、営業方針等で制作方法等を決め完成品や様々なサービスを提供していると思います。

ここ藤来畳店では鎌倉で創業以来品質重視、それでいてご要望に応じお手ごろな値段での畳提供に努めてきました。当然ながら手縫いだけでは請け負えない時代の要請に伴い機械も導入し、より効率的な生産にも努めてきました。

それでも特殊な形状の畳等をはじめ、機械では難しい微妙な仕上げや、高級な畳床、畳表等には手縫いでの仕上げにこだわり、長年の手縫い等により培った豊富な知識と一流の技術により店主が納得いく仕上がりの畳に一枚一枚仕上げています。

当然ながら既に店主は半世紀以上職人として仕事をしてきているので加齢による衰えは否定でず年々体力が必要な難しい仕事は厳しくなってきていますが、でもそれを補って余りある技術と経験で今でも出来る限り最良の仕事に努めています。仮に技術的に可能でも体力的に難しい場合はその通りご説明しています。

さて、今回ここでご紹介する畳の製作過程は以前に仕事をさせてもらったお客さんからの再度の依頼のもので、通常の畳床よりもランクが高い藁床を使っている畳表替えの仕事で、畳表も麻糸2本芯の計4本を一つの配に使っている最上級クラスの備後表(びんごおもて)を使い非常にきつく畳表を縫い上げる必要がある為床の縁部分には圧力で丸まらないように補強の板を入れてある大変な部類の仕事で、当然値段も高価です。

仕事の内容は使う材料、状態、形状等によりそれぞれ多少異なりますが基本的タイプであれば大まかな所は略共通です。この日の仕事は通常より時間が掛かるものの為店主と共に2代目の息子さんと共同で仕事に当たっています。(写真撮影及び説明文はウェブマスター)

畳表交換過程1

お客さん宅からあげて来た畳の床から古い畳表をはずします。


畳表交換過程2

畳床の状態を確認し、あげて来た時に見ておいた修正箇所などを確認しながら畳表を縫いこむ前に必要に応じて床を微修正します。この畳床は端に板を縫い込んである為通常より少し手間が掛かります。

畳表交換過程3

い草等を利用していねいに床を修正していきます。

畳表交換過程4

全て面の床の状態を確認後畳表を合わせ、正しい位置に決め固定していきます。

畳表交換過程5

この仕事の畳表替えには最上級の備後表を使用しているので通常は切り落としてしまうので見る事のない畳表の端にのびたい草の長さでその違いがわかります。

畳表交換過程6

一つの配に麻糸2本芯の計4本を使用していて非常に丈夫で伸びないのが特徴で、又い草が織り込まれた密度も高くその違いは比べてみると歴然です。

畳表交換過程7

床に体重をかけてしならせ畳表をピンと張っていきます。

畳表交換過程8

きちんと端の寸法を取りながら両サイドを決め固定していきます。

畳表交換過程9

固定後には畳縫い専用の大きな針を使い一針一針しっかりと締め込みながら縫い上げて生きます。

畳表交換過程10

非常に硬い畳床の為なかなか針が通り難いため技術と同時にかなり力が要る作業になります。又この畳床は圧力で丸まらないように板を入れてあるタイプなのでよりしっかりと縫いこむ必要があります。

畳表交換過程10その2

針を差し込む時には当然ながら素手では手に穴が開いてしまうので専用の補助具を手にはめ縫込み作業をしますが、こういった道具も畳職人の手作りです。


畳表交換過程11

両サイド縫込みが完了したら畳表の端を専用の包丁で真っ直ぐに落とします。

畳表交換過程12

畳表の両サイドを落とした畳床、2代目がこの作業を行っている間に店主は縁の縫いこみ作業の準備に取り掛かります。

畳表交換過程13

縁の下地の専用厚紙と縁を合わせて敷き端を手で固定するために縫い合わせます。

畳表交換過程14

畳表の端を縫うとき同様畳床が固く端を縫い合わせるだけでもかなりの力仕事です。針も指でつまんでも抜けてこないので専用の器具で引っ張りぬきます。

畳表交換過程15

機械で縁を縫い合わせた後に端を手で一針一針細かく縫い合わせるのですが、慣れている為とても手早く正確に一定のリズムで縫い合わせていきます。店主曰く機械よりも端の仕上がりがキッチリとしっかり縫い合わせられるので手で縫っています。

畳表交換過程16

端まで縫い合わせたら縁を綺麗に折りたたんで一つに縫い合わせます。

畳表交換過程17

縁の縫い付けが完成した畳、良く見ると畳表のい草の盛り上がりが確認できます、この盛り上がりがい草の密度を表しています。

畳表交換過程18

この時の仕事は特殊な形状の畳床もあり、それに合わせた畳表の製作が必要になります。

畳表交換過程19

全ての畳床の状態を定規等で確認しながら必要に応じて修正し仕事を進めていきます。

畳表交換過程20

この畳床の形状では機械で縁を縫えないので昔ながらに手縫いで縁を縫い合わせ行きます、硬い畳床の下から針入れ、正しい位置に出すのは至難の業で、それを的確に無駄なくやれるのが一流の職人です。


畳表交換過程21

端まで正確に縁を手で縫い上げていきます、傍で見ているとこれだけでもかなりの重労働です。

畳表交換過程22

良く見るとわかりますが、針の位置が少しでもずれると折り返した時に縁の位置がずれ浮いたりしておかしくなってしまいます。

畳表交換過程23

先ほど同様縁の端を手で縫い合わせてようやくこの一枚の完成です。

畳表交換過程24

お店のマスコット、りょう君はいつもお店で仕事を見守っています。



以上簡単にある日のお店における畳製作の流れについてご紹介致しました。こういった難しい畳の仕事の仕上がりで職人の腕の技術の差が出てきます。只もうこの様な難しいタイプの畳床と畳表の仕事は年齢的にそれ程多くこなせませんが、長年の知識と技術の積み重ねが全ての畳製作に生きています。一ミリも狂い無く隙間無くぴったりと収まる畳にきっと藤来畳店の仕事にご満足頂けると思います。

只畳屋さんの仕事はこれで終わりではありません、仕上げた畳を一枚一枚トラックに積み込みお客様宅に再び運び、敷く作業になりますが、それには家具の移動や床の下地の細かな処理等その他の仕事もあり、畳を上げてきて、お店で畳を仕上げ、再びお客様宅に戻り綺麗に敷き詰め仕上げるという一連の仕事の流れを見ると、畳屋さんという商売は技術も体力も要求される大変な仕事というのが解ります。でもお客さんと直に触れ合い喜んでもらえるやりがいのある仕事でもあります。

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